第3章 潤…
「ベッド、行こ?」
兄ちゃんの手を握ると、ビクンと身体が震えた。
「緊張、してる?」
そんなことない、と首を振って見せるけど、その顔は明らかに緊張の色が隠せなくて…
「和…」
名前を呼んで、額にキスを一つしてやると、少しだけ擽ったそうに肩を竦めた。
「…怖くないから、ね? 和がしてくれたみたいに、優しくするから…」
兄ちゃんが小さく頷いて、ソファに貼り付いていた腰をゆっくりと上げた。
「ありがとう…」
俺よりも少しだけ小さい兄ちゃんの身体をギュッと抱きしめる。
「…痛かったら承知しないからな?」
俺の腕の中の兄ちゃんが上目遣いで見あげる。
でもさ、ごめん…
それ、保証出来ないわ…
兄ちゃんの細い顎に手をかけ上向かせると、俺は兄ちゃんの薄い唇に自分のそれを押し付けた。
俺を迎え入れるように薄らと開かれた隙間に舌を差し込み、その奥で待ち構える兄ちゃんの舌を捉える。
角度を変えながら唇を貪り、縺れ合うようにベッドに身体を沈める。
唇が離れ、俺達を銀の糸が繋いだ。
兄ちゃんの俺を見上げる瞳が潤む。
「そんな顔、俺以外に見せないで?」
額にかかった前髪を掻き上げ、額にキスを落とすと、それを少しづつ下へと移動させた。
兄ちゃんの白い肌に、無数の華が咲く。