• テキストサイズ

99.9%のDNA【気象系BL】

第3章 潤…


「でもさ、自分で買うのもなんかアレだったから、知り合いで、こうゆうの趣味で造ってる奴に頼んだんだ。だけどさ、ソイツがまたのんびりしたヤツでな? 隣で急かさないとダメでさ…」

「もしかして…その人のトコ行くために、俺とは会わなかったの?」

兄ちゃんにそんな知り合いがいた事も初耳だったけど、それよりも何よりも、兄ちゃんが俺以外の人とずっと一緒にいた、ってことの方が俺には重要で…

「まぁ、そうだな…」

俺のため、って分かってはいても、なんだか許せなくて…

「サプライズはさ、嬉しいよ? この指輪だって、超嬉しい。だけどね?」

俺、嫉妬してるよ?

「和?」

そう呼ぶと、兄ちゃんが顔を上げた。

「俺さ、もう一個欲しい物あるんだけど…。聞いてくれる?」

ずっと願っていたこと…

「誕生日だからな? 俺に出来ることなら聞いてやるよ?」

「前にさ、約束してくれたよね? いつか…、って」

忘れたとは言わさないよ?

「あの約束さ、今日じゃダメ?」

断れないよね?
だって俺、誕生日だから…

「…………」

俺を見つめる兄ちゃんの瞳が大きく揺れた。

そして、暫くの沈黙の後、兄ちゃんが大きく深呼吸を一つした。

「…分かった。いいよ? お前に抱かれてやる」

緊張で強ばった顔に無理矢理笑顔を造って、兄ちゃんの細めた瞳が俺を見つめた。
/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp