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99.9%のDNA【気象系BL】

第3章 潤…


涙に濡れた頬を兄ちゃんの手が包む。

そして触れるだけの優しいキスを一つ落とし、また俺から視線を逸らした。

「手、出せよ…」

「えっ?…あ、うん…」

兄ちゃんが箱の中からリングを一つ抜き取り、俺の差し出した手を握る。

「お前さぁ…この場合左手出すんだろ? 右手出すやついるか?」

ついつい利き手を出した俺を、兄ちゃんが呆れたように笑う。

「あ、そっか…」

慌てて右手を引っ込め、代わりに左手を差し出す。

左手薬指に嵌められた“恋人”の証。

「…和も…手、出して?」

「いいよ、俺は…」

余程照れ臭いのか、なかなか左手を出さない兄ちゃんをソファの上に押し倒し、左手首を掴んだ。

「俺がして上げたいの…ね?」

真っ赤に染まった兄ちゃんの顔を見下ろし、掴んだ左手首を引き寄せた。

薬指の付け根にキスを落とし、揃いのリングを落とした。

「どうして俺が欲しかった物がわかったの?」

俺は“指輪が欲しい”なんて、一言も言ないのに…

「それはアレだよ…」

身体を起こしながら、困ったように頭を掻く兄ちゃん。

「見てただろ? ショーケースに並んでるの…じっとさ…」

「えっ? アレ見られてたの?」

まさか兄ちゃんに見られてるなんて、思いもしなかった…。
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