第3章 潤…
シャワーで火照った身体に、キンキンに冷えたビールを流し込む。
もっとも、アソコの火照りは治まっちゃいないけどね…?
「ぶはぁ〜、生き返るわ…」
一気に飲み干した俺を、兄ちゃんが目を丸くして見つめている。
「…なに?」
「いや、いい飲みっぷりだな、と思って?」
そう言って兄ちゃんが目を細める。
「あ、そうだ…」
思い出したように、ベッドの上のジャケットを引き寄せ、ポケットを漁る兄ちゃん。
「ほい、これ。誕生日プレゼントな?」
差出されたのは、紫色の可愛いリボンとラッピングが施された小さな包み。
「えっ、マジで?」
「開けてみ?」
一つ頷いて、リボンを解き、ラッピングを捲っていく。
中から出てきたのは、小さな箱…?
「これって…」
開けなくても分かる…
「いいから早く開けろって…」
照れ臭いのか、兄ちゃんが真っ赤な頬を隠すように、窓の外に顔を向ける。
「うん…」
ヤバイ…
泣きそうなんだけど…
期待に震える指で蓋を開ける。
キラリと光る小さなリングが二つ…
「どうして…?」
“欲しい”なんて、一言も言ってなかったのに。
どうして兄ちゃんには分かったの?
「嬉しい…」
それまで堪えていた涙が、俺の頬を伝った。