第2章 和…
「ちょっと待ってて?」
ケーキも食べ終わり、そろそろ、と腰を上げた俺達を“親父さん”が止めた。
「なんだろう?」
潤が“母さん”に聞くけど、“母さん”も「さぁ、何かしら」なんて首を傾げる。
「お待たせ!」
と、漸く戻ってきた“親父さん”の手には、デジカメが握られていた。
「せっかくだからさ、4人で撮らない?」
「おっ、いいねぇ〜」
俺は正直あんまり乗り気ではなかった。
だって、どんな顔してそこに収まったら良いのか、分からなかったから。
でも、
「ほら、兄ちゃん笑って?」
カメラのセルフタイマーをセットしながら潤が言うから、俺は引き攣った笑顔を浮かべた。
“母さん”の手が俺の肩に載せられた。
触れた肩が…じんわりと暖かくなるのを感じた。
「5、4、3、2…イェ〜イ!」
潤のカウントダウンと同時に、、カメラはカシャッと小気味いい音を立ててシャッターを切った。
「どれどれ? おぉ、いい感じに撮れてる」
“親父さん”は画像を確認して、満足げに声を上げた。
「後で送ってよ?」
「おう、任せとけ」
自信満々に“親父さん”が親指を立てて見せる。
「あ、和也君にも送るから連絡先、教えて?」
「は、はい…あの…」
唐突に振られて、俺は慌ててポケットからスマホを取り出した。