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99.9%のDNA【気象系BL】

第2章 和…


俺と“親父さん”は顔を見合わせると、ダイニングへの扉を開けた。

「えっ、なに?」

ダイニングの照明が全て落とされ、真っ暗な中ポワンと浮き上がるオレンジの光。

そして、

「兄ちゃん、誕生日おめでとう!」

の声と同時に、破裂音と共に舞い散る紙吹雪。

「なに、なんなの?」

「ほら、兄ちゃん座って?」

潤が俺の肩を抱いて椅子に座らせた。

「兄ちゃん、ロウソク消してよ」

「あ、あぁ、うん…」

俺は言われるまま、ロウソクの炎を吹き消した。

「おめでとう、和也…」

「えっ、う、うん…」

本当は“ありがとう”って言いたいのに、天邪鬼な俺はそのたった一言が言えなくて…

でも、胸に込み上げる熱い物は、涙になって俺の目から溢れてて…

パチンと音を立てて点けられた照明に、慌てて腕で拭うけど、潤はそれを見逃さない。

「兄ちゃん…、もしかして泣いてんの?」

「ち、ち、違うわ! 泣いてなんか…」

ない…

それ以上言葉が出てこなかった。

気付いたら、俺は“人生初”なんじゃないかってくらいに、めちゃくちゃ泣いてた。

泣きながら、“母さん”の手作りのケーキを食べた。

ケーキの味なんて、全然分からなかった。

でも、それはとても甘くて、とても暖かい味がした。
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