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99.9%のDNA【気象系BL】

第2章 和…


キッチンの方から、潤と“母さん”の楽しそうな声が聞こえた。

そんな些細なことに、俺はそこに自分の居場所がないことを再確認してしまう。

「羨ましいかい?」

“親父さん”が人の良さそうな顔で言った。

「…いえ、別に…」

図星を差されて、俺は口籠もってしまう。

「君は…お母さんに愛されてないんじゃないか、って思ってるかい?」

「…そんなことは…」

思ってるよ。
思ってるけど…言えないよ、そんなこと…

「思ってない、わけないよな? 30年だもんな、そう思ったって仕方ないよね?」

「いや、だから俺は…」

「下駄箱の上の写真、気付いた?」

俺達を結び付けた、たった1枚の写真。

「僕はね、お母さんと結婚を決めた時、あの写真を捨ててくれと頼んだんだ。…君達のお父さんのことは勿論、過去は全部捨てて欲しかったからね?」

“親父さん”は残っていた缶ビールを一気に飲み干した。

「でもね、捨てられなかったんだよ…お父さんのことはともかくとして、忘れられなかったんだよね…君のことは…」

そう言って“親父さん”は寂しそうに笑った。
そして、

「ちゃんと愛されてるよ、君も。ただ、君がそうであるように、お母さんもどうしていいのか分からないんじゃないかな?」

“親父さん”が俺の肩をポンと叩いた。

その時キッチンの方から、潤の俺を呼ぶ声がした。
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