• テキストサイズ

99.9%のDNA【気象系BL】

第2章 和…


“母さん”の作る料理はどれも美味しくて、“お袋の味”ってこんな感じなのかな、なんてぼんやりと思う。

同時に、潤は俺とは違って、“母さん”にたっぷりの愛情を受けて育ってきた、そう思うと少しだけ潤が羨ましく思えた。

「どう、兄ちゃん美味いだろ、母さんのハンバーグ」

口いっぱいにハンバーグを頬張り、無邪気な笑顔を向ける潤。

再会してから色んな潤の顔を見てきたけど、初めて見る顔だった。

「うん、超美味い」

本心だった。
今まで食べた、どんな高級なハンバーグよりも、“母さん”の作ったハンバーグは美味しかった。

「良かったわ、口に合って」

“母さん”がホッとした様子で胸を撫で下ろした。

そりゃそうだよね、俺の好きな味なんて、この人は知らないんだから。



食事が済むと、片付けを始めた“母さん”と潤をキッチンに残し、俺と“親父さん”はリビングに移動した。

ホロ酔い気味の“親父さん”は終始ニコニコ顔で、更に俺にビールを薦めてきた。

「もう少しいいじゃないか?」

「いえ、潤飲めないのに、俺ばっかりってのもなんなんで…」

「そうか…。残念だな」

“親父さん”がショボンと肩を落とした。

その姿があまりにも情なくて、俺はクスッと笑った。
/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp