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99.9%のDNA【気象系BL】

第2章 和…


「和也の席はここよ」

“母さん”が指差したのは、潤の隣。

「あ、ありがとう…ございます」

他人行儀に答える俺に、“母さん”が一瞬寂しそうな顔を向けた。

だって仕方ないじゃないか…。
俺は写真でしか“母さん”を知らないんだから。

「母さん、今日の晩御飯何?」

暗くなってしまった空気を振り払うように、潤の明るい声が響く。

「えっ、あ、あぁ…今日はね、ハンバーグにしたわ」

「やった! 兄ちゃん、母さんの作るハンバーグ、超美味いんだぜ」

「そ、そうなんだ? 楽しみだな」

そう言うと、“母さん”が照れくさそうに笑った。

「やだ、そんなに褒められると、緊張しちゃうじゃないの」

俺だけじゃないんだ、緊張してんのは…

そうだよな、この人だって約30年振りに息子と対面するわけだから、緊張しないわけないよな。

「俺、ハンバーグ大好物なんです」

「そうなのね。いっぱい作ったから、沢山食べて?」

“母さん”はテーブルに次々と料理を並べて行った。

勿論、ハンバーグも…

「和也君、いっぱいどうだ?」

“親父さん”が俺に向かって缶ビールを差し出す。

「親父さん俺には聞いてくんないの?」

潤が不満ありげに頬を膨らした。

「お前は車だろ?」

「チェッ、つまんねーの…」

心底つまらなさそうな潤の声に、笑いが起きた。
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