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99.9%のDNA【気象系BL】

第2章 和…


騙された、って気付いた時にはもう遅くって…

勢い良く開かれた扉と同時に、俺の目の前には写真の中のその人が立っていた。

「…和也なの? 本当に和也なのね?」

写真よりも少しだけ老け込んだその人は、俺と良く似たぷっくりとした手で、俺の顔を撫でた。

この人が俺を産んだ人なの?

「感動してるとこ悪いんだけど、俺腹ペコペコなんだよね…」

潤の言葉に我に返ったのか、その人は指の腹で目尻に溜まった涙を拭った。

「そうね、ご飯にしましょ? さ、和也も入って?」

「ほら、兄ちゃん?」

俺の肩を潤が押した。

「ん、ああ…。おじゃま、します…」

一歩足を踏み入れると、綺麗に整頓された下駄箱の上に、綺麗な額に入れられたあの写真を見つけた。

「潤、これって…」

「これね、なんか知んないけど、ずっとここに飾ってあるんだ」

俺達を引き合わせてくれたたった一枚の写真が、そこにあることが、何故だか凄く嬉しかった。

「兄ちゃん…和、まだ緊張してる?」

「いや、緊張は…やっぱしてんのかな?」

俺は自嘲気味に笑って、漸く靴を脱いだ。

リビングに通されると、シンプルなソファに、眼鏡をかけて新聞を捲る男性の姿。

「親父さん、ただいま。兄ちゃん連れてきた」

どうやら潤が“親父さん”と呼ぶこの人が、“母さん”の再婚相手、らしい。
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