• テキストサイズ

99.9%のDNA【気象系BL】

第2章 和…


潤の運転に揺られながら、家が近付くにつれ俺の緊張感は増し、次第に口数も少なくなっていく。

「そこ角曲がったら家だから」

潤の言葉通り、車が角を曲がると潤は車をガレージに停車させた。

「緊張してる?」

シートベルトをなかなか外さない俺の顔を、潤の笑顔が覗き込んだ。

「んな訳…ちょっとある…かもな…」

ため息交じりに答える俺の頬に、潤がチュッとキスをした。

「おま、ばかか…?」

「おまじないだよ、緊張しないようにね? さ、行くよ?」

俺の口から、とてつもなく長い溜息が零れた。

でも、潤の“おまじない”のせいか、少しは緊張が解れた…ような気がする。

先に車を降りた潤が助手席のドアを開けてくれて、俺は漸く重い腰を上げた。

潤がインターホンを押した。

その瞬間俺の緊張度はMAXまで一気に上昇した。

潤の手が俺の手を握ってなきゃ、俺はとっくに逃げ出してる筈だ。

『は〜い、どちら様?』

聞こえて来たのは、“母さん“の声…?

「あ、俺、潤。兄ちゃん連れてきたよ」

『えっ、やだ、それ早く言いなさいよ』

スピーカーから聞こえる明るく元気な声で、潤にいっぱい食わされたことに、俺は漸く気付いた。
/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp