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99.9%のDNA【気象系BL】

第11章 決断…


改めて新年の挨拶を交わしながら、金箔入りの日本酒で乾杯をする。

きっと当たり前の光景なんだろうな…

でも、ずっと一人でいた俺にとっては、豪華なお節料理も、金箔入りの日本酒も初めてのことで…

何もかもが新鮮に感じた。

「あ、そうだ。親父さんが電話で言ってたけど、お年玉って…?」

数日前に母さんを泣かせたばかりなのに、何事もなかったかのように接する潤が羨ましく思える。

もしかしたら、俺のために“あえて”そうしてるのかもしれないけど…

「ちょっと待ってなさい」

母さんが箸を置いて席を立つ。

そのまま和室を出て行く母さんの背中は、どこか寂しげにも感じて…

俺はじっとその背中を見つめていた。

そして何分も待つことなく戻って来た母さんの手には、封筒のような物が握られていて…

良く見ればそれは熨斗袋らしく…

大袈裟に咳払いをしてから元の席に着いた母さんは、その一つを潤の前にトンと音を立てて置いた。

「これ…は…?」

「お年玉だって言ったでしょ? 開けてご覧なさい」

「う、うん…」

潤が戸惑いがちに熨斗袋を手に取り、そっと封を開ける。

「え、これって…、何で…?」

中から出て来たのは、潤の名義で作られた通帳で…

やっぱり戸惑いを隠せない潤は、通帳のページを捲る度に目を丸くして行った。
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