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99.9%のDNA【気象系BL】

第11章 決断…


「ねぇ、兄ちゃん…?」

「ん…?」

湯船に腰まで浸かりながら、シャンプーで俺の髪を泡立てる潤が、溜息と同時に吐き出す。

「母さん、俺のこと軽蔑…したかな…?」

「何で?」

「だって…、母さんの口癖だったからさ…、“早く孫の顔見せなさい”って…」

それは、親ならば当然の…子供に対する期待なのかもしれない。

特に、母さんは潤に対して異常…とまではいかないまでも、けっこうな愛情を持っているのは事実で…

勿論、俺にだって愛情を持って接してくれてるんだろうけど、その差は…歴然。

母さんが潤の子供を…って願う気持ちは分からないでもない。

でも俺達は、その“期待”には答えられそうもない。

いや、方法が無いわけじゃない。

ただ、それだって簡単な話しではないだろうし…

「母さん…泣いてたもんね…。俺ね、母さんのあんな顔…、初めて見たかも…」

「そっか…」

「やっぱり隠し通すべきだったんかな…」

自分で言い出したことなのに、何度も後悔を繰り返す潤に、俺の苛立ちが募る。

俺はシャンプー途中の髪をシャワーで流すと、滴る水分を飛び散らせるように頭をブルンと振った。

「いい加減にしろって…。後悔するくらいなら、最初っからこんな提案しなきゃ良かったんじゃねぇのか?」

潤の…心做しか上気した顔が…、一瞬にして凍りついた。
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