第11章 決断…
俺の隣で、潤の肩がビクンと跳ね上がった。
それでも潤は話を止めようとはせず、
「俺は和のことしか愛せないんだ…。だから分かって欲しい」
そう言って額をテーブルに押し付けた。
潤なりに必死だったんだと思う。
でも俺は知ってんだ…、そんな簡単に認めてくれるわけないってことをさ…
だから、信じられないとばかりに首を横に振る母さんを前にしても、ショックを受けることもなければ、“どうして分かってくれないんだ!”と迫る気もなかった。
それが当然の反応だと思ってたから…
ただ、ずっと頭を下げ続ける潤を見ているのは、汚物でも見るような目で見られることよりも、うんと苦しくて…
「俺…、ガキの頃から好きになるのは、いっつも男ばっかで…」
ポツポツと話し出した俺の前で、母さんが目を見開く。
そりゃそうだよな…、俺のガキの頃のことなんて、母さんは何も知らないんだから…
「施設に入ってから…だったかな…、同室だった一個下の男に告ったんだ。そしたらさ、ソイツ…その日のうちに部屋替えの申し入れしてさ…」
あの時に気付いたんだ。
男が男に惚れるってとこは、許されないことなんだ、って…
「その頃だったかな…、自分がゲイだってことに初めて気付いたのは…」
流石にショックだったけど…