• テキストサイズ

99.9%のDNA【気象系BL】

第11章 決断…


俺は携帯用の灰皿に煙草を揉み消すと、上体だけを起こし、丁度膝枕の格好になった潤の髪を指で梳いた。

「お前さぁ、何悩んでんのか知んないけど、それ絶対俺にも関係あることだろ?」

自分だけの問題なら、潤の性格上どれだけ悩んだとしても、もうとっくに答えが出ている筈なのに、未だ答えが出せないってことは、そこに“俺”が絡んでいるからだ。

「違うか?」

目を泳がせてばかりで、中々答えようとしない潤に、もう一度問いかけてみる。

すると潤は、髪を撫で続ける俺の手を掴んで、

「俺ね…、ずっと考えてたことがあるんだ…」

漸くその重い口を開いた。

だから俺は急かすことなく、小さく“うん”と頷くと、潤の手に導かれるまま、まだ紅潮したままの頬を包んだ。

「俺ね、いつかはちゃんと言わなきゃって思って…」

「何を?」

「兄ちゃんと俺のことを…」

「誰…に…?」

「親父さんと母さんに…」

俺の手首を掴んだ潤の手に力が入る。

それだけで、潤がどれ程深く思い悩んでいたのかが分かる。

「でもさ、絶対悲しませることになるよね…?」

「だろうな…」

特に母さんは、口にこそ出さないけど、潤のことを溺愛してるし、早く孫の顔が見たいとも言ってた。

潤自身も、母さんの気持ちを知ってるから、だから悩んでんだろうな…
/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp