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99.9%のDNA【気象系BL】

第10章 非対称…【Extra Edition】


「よし、片付け終わり…。早く帰ろ?」

外したエプロンをカウンター席にかけ、肘まで捲ったシャツの袖を下ろす。

忙しかったのもあるけど、別の意味でも今日は疲れた。

「電気消していい?」

火の元を確認と、カウンターの照明を消すのは俺の役目。

超ド天然男の呼び名も高い雅紀だから、任せるのが心配ってのもあってね(笑)

「消すよ?」

いつもなら返って来る筈の能天気な返事が、今日はない。

その代わりに聞こえて来たのは…

「ふっふふふ〜んふっふ〜♪」

すっごーーーーーーーーーっく、音痴な鼻歌で…

「な、なんなの…?」

キッチンから出て来た雅紀の手には、フルーツがこれでもかってくらい贅沢に盛られたパンケーキで…

「嘘…」

その中央には、ロウソクが立てられている。

「ね、ねぇ、ほんと…に…? 忘れてたんじゃなかったの?」

やばいよ…、こんなの…、泣いちゃうよ…

「はあ? お前何言っちゃってんの? 俺がお前の誕生日忘れると思う?」

「う、うん…、だって去年は…」

「去年は去年でしょ? 今年の俺は去年の俺とは違うの!」

そう…なの…?

俺の目には、去年の雅紀も、今日の雅紀も同じに見えるけど、でもやっぱりどこか違うのかもね…
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