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99.9%のDNA【気象系BL】

第10章 非対称…【Extra Edition】


毎年この時期になると決まってやって来る二人…

俺の彼氏の後輩で、恋人同士なんだけど、実は血の繋がった兄弟なんだ。

一見クールに見えるけど、実はけっこう乙女な弟潤くんと、色白で、見るからに華奢なのに、案外男らしいお兄さんの和くん…。

すっごく素敵で、お似合いなカップルで、俺はちょっとだけ羨ましさを感じてしまう。

だって、お兄さんの和くんは、俺と全く同じ誕生日で、血液型だって同じなのに、傍から見てもすっごく愛されてて…

それに比べて俺と来たら…

もう慣れっこなんだけどさ、誕生日忘れられるのはね?

でもさ…、でも…、なんだよな…

目の前で、同じ誕生日の人がお祝いされてたら、普通気がつくでしょ?

なのに、俺の彼氏と来たら…

「や〜、実にめでたい!」

ってさ…

俺…、全然おめでたくないんですけど?

他人の彼氏の誕生日祝うんだったら、自分の彼氏の誕生日祝ってくんないかなぁ…

「はあ…」

「な〜に、どうしたの溜息なんかついちゃって(笑)」

「なんでもないよ…。さっさと片付けちゃお?」

っていうかさ、雅紀のせいだってのに…

「はあ…」

俺はもう一つ溜息を落とすと、シンクに溜まったグラスと皿を、洗剤を染み込ませたスポンジで、一つ一つ丁寧に磨き始めた。
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