第9章 家族旅行…
和の胸にしがみつき、見上げる視線に思いっきり熱を込めた。
頭では分かってるのに…、これ以上はダメだって…
でも、理屈じゃ理性は抑えられなくて…
「だめ…?」
「でもお前…、もし聞かれたら…」
「分かってる…。だから、ちゃんと声とか我慢するから…、だから…」
それに、さっきだって途中だったし…、しかも自分で処理したし…
「ね、お願い…」
「…ったく、仕方ねぇな…。つか、んな可愛い顔されたら、俺の方が我慢出来なくなんだろ?」
フッと笑った和の手が、俺の顎先を捉え、上向かされた俺の額に、和の唇が触れた。
「目、閉じろよ…」
「えっ、あ、うん…」
言われてキュッと瞼を閉じると、微かに震える睫毛に触れる柔らかな感触に、ほんのちょっとだけ擽ったさを感じてしまう。
でも俺が本当に欲しいのは、そこじゃない。
俺はキスを強請るように唇を突き出した。
なのに和ってば…
「えっ…、あ、やっ…、そこだめ…」
微か…どころか、ガッツリ固くなった中心を浴衣越しに握り込むと、その形をなぞるように撫で始めた。
「ククク、何がダメなんだよ、こんな固くしてるくせに…」
「言わ…ないで…」
腕枕とキスだけで、こんなに固くしてるなんて、和に思われたくない。