第9章 家族旅行…
替えたばかりの真新しい下着の中に、和の手が躊躇なく忍び込んでくる。
そして俺の中心をその手中に収めると、まるでゲームのコントローラーを操るか如く、指先を動かした。
「んっ…、ふっ…」
当然のことながら抗議も抵抗も出来ない俺は、和の浴衣の襟元を両手で掴んだ。
もう…だめ…、イキ…そ…
そう思った瞬間、束の間の甘い時間を裂くように響いたノック音。
ふと和の肩越しに部屋の置時計を見ると、デジタルは丁度18時を表示していて…
「残念だけど、飯の時間だわ…」
咄嗟に離れた和の口から、溜息が零れた。
「う、うん…、仕方…ないよね…」
「二人を待たせるわけにもいかないからな…」
「そう…だよね…」
せっかくの家族旅行だし…ね?
つか、俺…コレどうしよう…
「ごめん、兄ちゃん先行っててくれる? 俺、トイレ行ってからさ…」
「そ、そうだな…、そのままじや…、だよな…」
俺を解放した兄ちゃんの視線が、肌蹴た浴衣の裾から見え隠れする中心に注がれる。
「も、もおっ…、早く行ってって…」
そんなにジッと見られたら、それこそ浴衣汚しちゃうじゃんか…
「わ、分かった。なるべく早めに、な…?」
「うん、急いでイクから…」
「えっ、あ、ああ…、おう…」
ああ、もおっ…、今絶対兄ちゃん勘違いしたでしょ…!