第9章 家族旅行…
俺は身体を和にピタリと擦り寄せると、首筋に巻き付いた和の手を取り、浴衣の上からでも分かる程膨れた中心へと導いた。
「お前…、ガチガチじゃん(笑)」
「そうだよ…、悪い?」
和のこと考えただけで、こうなっちゃうんだから仕方ないじゃんか…
「ねぇ、触ってくれるんでしょ? 早くさわ…、あっ…んんっ…」
和の手が俺の中心を、布越しにギュッと握り込む。
予想外のことに、瞬間俺の身体がビクンと跳ね上がり、塞ぎ損ねた口からは、思いがけず大きな声が零れた。
「バカ…、声デカいって…。聞こえちまうだろ?」
分かってるよ…、壁一枚隔てた向こうには、母さんと親父さんがいるってことくらい。
それでも我慢出来ないんだから仕方ないじゃん…
「仕方ねぇなぁ…、ほらキスしててやるから…」
えっ…?
「お前の口さえ塞いどけば、声が漏れることないだろ?」
「そ、それは、そう…だけど…」
…って、躊躇う俺の唇を、和の唇が塞いだ。
浴衣の裾が捲られ、外気に晒された両足の間を、和の膝が割った。
えっ…、ちょっと待って…?
こんなの…、誰か来たら…絶体絶命だよ…
「んんっ…、んんんんっ…!」
…って、抗議したって無駄だよね…
藻掻く俺の声は、見事に和の口に飲み込まれて行った。