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99.9%のDNA【気象系BL】

第8章 秘密…


「あ、兄ちゃん今日の予定は?」

トーストを頬張りながら、潤が緊張気味の笑顔を俺に向ける。

「いや、特にはないけど…?」

誕生日だから、って数少ない友達からの誘いも断っちゃったし…

「じゃ、じゃあさ、ちょっと出かけない? 俺さ、どうしても兄ちゃんと行きたい場所があってさ…」

「俺と行きたい場所…?」

「うん。あっ、でも無理にとは…」

一瞬にして曇る潤の顔。

潤にこんな顔させる自分に腹が立つ。

「いいぜ、どこだか分かんねぇけど、行こうぜ?」

俺は残りのトーストを口に押し込んで、コーヒーで一気に流し込んだ。

「いい…の?」

「当たり前だろ? ほら、さっさと食えよ」

「うん!」

本音を言えば、俺の性格上外に出るのは億劫にしか感じない。

出来る事なら、一日中誰とも顔を合わせることなく、会話だって必要がなければしたくないし、トイレだって飯だって、面倒なだけ。

でもさ、潤なら…潤となら全然嫌じゃないんだ。

寧ろ、ずっと顔を見ていたいし、会話だってしたい。

結局のところ、俺は潤が好きなんだ。

好きだからこそ、噓をつかれたり、隠し事をされたりするのが、寂しくて…

潤を独り占めしたいって、潤の全てを知っていたい、ってさ…

でもそれって俺の我儘なんだよな。

お互い”好き”って気持ちさえあれば、別に秘密があろうがなかろうが、どうだっていいことなのに…

そんな簡単なことに、漸く気付いたんだ。
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