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99.9%のDNA【気象系BL】

第8章 秘密…


その日から俺達は殆ど…ってか、全く口をきかないまま時は過ぎ…

ふと気付いたら、俺の35回目の誕生日の朝を迎えていた。

とは言っても、ただ“誕生日”ってだけで、感覚的には何も変わりゃしない。

いつもと何一つ変わらない、普通の朝だ。

ただ一つ予定外だったのは、その日が丁度日曜日だった、ってことくらいかな…。

日曜日ってことは、潤の仕事休みだし、当然だけど潤が一日家にいることになる。

嫌でも顔を合わせることになる。

うーん…、何とも気まずい。

でもそうも言ってられない。

俺だって腹が減れば飯だって食うし、トイレにだって行かなきゃだし…

はあ…

めでたい筈の誕生日の朝が、溜息で始まるって、どんな地獄なんだよ…

はあ…

とりあえず朝飯でも食うか…

俺は二度目の溜息を落とすと、ノロノロとベッドを這い出て、寝癖だらけの髪をクシャッとかき混ぜ、自室のドアを開けた。

すると、まるでタイミングを計ったみたいにトーストの香ばしい匂いが漂ってきて…

これまた絶妙なタイミングで俺の腹の虫が盛大に泣き出した。

「あっ…、兄ちゃんも…食べる?」

「あ…うん…」

「じゃあちょっと待ってて? すぐ準備するから…。あ、コーヒーでいいよね?」

まるで何も無かったかのような、普通の会話…

でも満更居心地が悪いわけでもない。

寧ろ、久しぶりの潤との会話に、ホッとしてる。

「はい、お待たせ。食べよ? あ、それとも部屋で食べる?」

一瞬見せる寂しげな顔…

「いや、ここでいい」

でも今日くらいは、笑ってて欲しい。
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