第1章 兄弟…
潤side
俺だけじゃないのに、兄ちゃんのだってさっきから…
なのに…
「ここ、触って欲しい?」
そんな風に言われたら、もう頷くしかできなくって…
俺は顔を隠したままコクンと頷いて見せた。
兄ちゃんの手が、スウェットの上から俺の中心を撫でると、そこは更に熱を帯びていく。
だけど、それだけじゃ物足りなくて…
「ん…ね、触って? …触って欲し…いの…」
俺は兄ちゃんの首に腕を回して強請った。
でも兄ちゃんは…
「和也、って呼んでくれたら触ってやるよ?」
って意地悪い笑顔で俺を見下ろした。
「…もぉ、兄ちゃんの…ばか…イジワル…」
俺は兄ちゃんの顔をグイッと引き寄せて、意地悪な口を塞いだ。
薄く開いた唇の隙間に差し入れた舌先で兄ちゃんの舌を突っついてやると、兄ちゃんはそれに応えるように俺の舌に自分のソレを絡めた。
飲み込み切れず溢れた唾液が、俺の顎を伝うけど、それすら気にならない程、俺は兄ちゃんとのキスに夢中になっていた。
漸く離れた俺達の唇を、99・9%の確率で合致するDNAが繋いだ。
「兄ちゃん…和也…和? どれがいい?」
「和…かな…?」
「じゃあ…和…ね?」
兄ちゃん…和の手が俺の頬にチュッとキスを落し、スウェットの中に手を滑り込ませた。
キュッと握りこまれ、俺の身体がまたビクンと跳ねた。