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99.9%のDNA【気象系BL】

第7章 バングル…


「よし、出来た!」

隣りで兄ちゃんが声を上げる。

「えっ、マジで? 見せて見せて?」

俺が覗き込もうとすると、兄ちゃんはサッと手元を隠して、

「ダーメ。お前のが完成したら見せてやるよ」

って…
ホント、兄ちゃんてば意地悪なんだから…

俺は視線を手元に落として、残りの作業に集中した。

そして…

「出来た!」

決して綺麗に出来たわけじゃない。
なんなら凄く不細工な創りだけど、でも想いだけは詰まってる。

だって料理を作りながら智さんが言ってた…

「送る相手のことを考えて、一生懸命作れば、形なんて本当はどうだっていいんだよ」

…って。

「気持ちが大切なんだよ」

って…。

その言葉の通り、俺は兄ちゃん…和への想いを、ひと彫りひと彫り目一杯込めたつもりだ。

「よし、後は仕上げだけだけど、それは僕の方でしておくから、二人共ちょっと休憩して?」

「ああ、頼むわ。もう俺、くったくただ…」

「俺も…」

二人で同時に身体を伸ばすと、そこにタイミング良く運ばれて来た、シンプルなシフォンケーキ。

「ちょっと早いけど、バースデーケーキの代わりな?」

多分俺たちが作業に没頭している間に、翔さんが用意してくれたんだ…

「ありがとうございます」

「いいってことよ。和の弟は、俺らの弟でもあるからな。そうだろ、智?」

「んふ、そうだね。可愛い弟が一人増えたね」

って…

俺、こんなに幸せでいいの?
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