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99.9%のDNA【気象系BL】

第7章 バングル…


味噌汁の匂いと、トーストの匂い、そして本日二杯目のコーヒーの香りとが混じり合った、奇妙な食卓を囲んでの朝食。

普段は兄ちゃんと二人だけ、ってこが多いから、こんな団欒もたまにはいいかな、なんて思える。

翔さんが俺を見ては、肩を揺らして笑うのは…ちょっと気になるけど…

「あ、でさ、俺らどうすればいいの? 俺ら何もわかんないぜ?」

味噌汁にご飯をぶっ込みながら、兄ちゃんが箸をペロリと舐める。

もぉ、お行儀悪いんだから…

「それなら大丈夫、準備はしておいたから。二人はそこに細工してくだけだから。んでね…」

智さんが手に付いたパンの粉を払って、コーヒーを一口啜ると、徐に席を立ち、作業台の上にスケッチブックを広げた。

そこには“緻密”って言葉がしっくり来るような、細かく計算されたデザイン画が並んでいて…

ポワンとした見た目に、若干の不安を感じた自分を
少しだけ恥た。

この人、本物だ…ってね。

「こっちが和用で、コレが弟くん用にどうかな、と思ってさ。どうかな?」

智さんが差したのは、細かな細工こそ同じだけど、太さの違う二種類のデザイン画で、俺も、勿論兄ちゃんも、そのデザインの素晴らしさに思わず見入った。

でも…

「こんなん俺らに出来んの?」

はは…、俺も実は思った。

「俺はともかく、潤の不器用さは天下一品だぞ?」

えっ、そこ?
そりゃ、兄ちゃんと違って俺不器用だし…
それは認める。
認めるけどさ…

ちょっと悔しいかも…
俺、こう見えてけっこう負けず嫌いだからさ。
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