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99.9%のDNA【気象系BL】

第7章 バングル…


何とも気不味い空気が流れ、マグカップが空になった頃、二階で物音がして、聞こえてきた楽しげな話し声。

兄ちゃんと智さんが起きてきたんだ。

その声は徐々に近付いて来て、階段を降りきった二人は、俺たちを見るなり、

「あ〜あ、腰痛いなぁ〜」

「あら、お宅も? 実は俺もなんだよね〜」

なんて、冗談を言いながら、大袈裟に腰を摩ってみせた。

つか、それ冗談になんないけど…もぉ…

せっかく冷めた顔の熱がぶり返して来るのを感じながら、俺は頬を目一杯膨らませて、兄ちゃんを睨みつけた。

「あー、腰痛いとこ悪ぃんだけどさ、俺腹減ったんだよね…。飯作ってくんない?」

すっかり険悪ムード(俺が一方的に、だけど…)になった空気を裂くように、翔さんがわざとらしく腹を叩いた。

「じゃ、僕何か作るね? あ、弟くんお料理得意なんでしょ? お手伝いしてくれる?」

智さんの柔らかい笑顔が俺に向けられる。

「ああ…はい」

兄ちゃんと翔さんをその場に残し、俺は智さんに腕を引かれるようにしてキッチンへ入った。

智さんが手際良く水を張った鍋をコンロにかけて、今度は冷蔵庫を開けた。

「翔くんはご飯派なのね? でも僕は、朝はパンがいいの。あ、和もご飯派だよね? 潤くんは?」

「俺も…どちらかと言えば、朝はパンかな…」

不思議な人だな、智さんて…

笑顔もそうだけど、おっとりとした口調と、少し抑え目の声のトーンが落ち着く。
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