第23章 その後
自分にもらえたのは予想外でとても驚いたが、ハリー,ロン,ハーマイオニー、そしてネビルが嬉しそうなので安心した。
「「ユウミ!」」
『フレッド!ジョージ!』
そのとき、後ろから声をかけられ振り向くと、そこにいたのは双子だった。二人は順番にハグをしてにっこり笑う。
「「ユウミ」」
「無事で」
「良かったぜ!」
「噂を聞いたときは」
「肝が冷えたぜ」
『ふふ、ありがとう、フレッド,ジョージ』
二人ににっこり微笑むとまた抱きつかれる。それからクレア達と部屋に戻り、帰る支度をした。そしてその数時間後、私は医務室を出るときに言われたマダム・ポンフリーからの伝言通りに校長室に向かっていた。校長室に辿り着くとそこにはセブルスがいる。
『セブルス!どうしたの?』
「ここには合言葉がないと入れん」
不思議に思って問いかけると、セブルスはそう言って合言葉を言った。その合言葉を聞くと入り口にいたガーゴイル像が生きた本物になりピョンと跳んで脇に寄り、その背後にある壁が左右に割れて螺旋階段が現れた。セブルスが階段に乗るのに続いて私もその階段に乗る。自動で動いた階段を降りると樫の扉が目の前に現れた。
「校長。Ms.マーレイを連れてきました」
「お入り」
その言葉を合図に校長室に入ると、部屋は美しい円形で、壁には歴代の校長の写真が掛かっていて、大きな鉤爪脚の机の後ろの棚には、組み分け帽子が乗っている。
「よく来たね」
『あの、それで...』
「そうじゃったな。クィリナスはそちらじゃ、セブルス」
実は、クィレル先生に会いにここに来たのだ。クィレル先生が私に会いたいとダンブルドア先生に頼み込んだらしい。その間、クィレル先生は私の心配ばかりしていたようだ。セブルスは猛反対したが、最終的にはダンブルドア先生に丸め込まれたみたいである。
セブルスについていくと、ひとつの扉があった。セブルスは雑にノックをすると中に入ったので私も続けて入る。そこにはベッドから上半身を起こしているクィレル先生がいた。
『クィレル先生!』
私は走りよって声をかける。
『クィレル先生、怪我は?大丈夫ですか?』
「マーレイ...ありがとう。君のおかげで、私は命があると聞いたよ。本当にありがとう」
それに首を振った私を見て、クィレル先生は言葉を続ける。