第23章 その後
「私は一度闇に落ちてしまった。しかし君とのお茶会で君と話をするのがとても楽しかったんだ。あのときみぞの鏡には君が映っていたんだ。それを見て私は驚き、動揺してしまった」
私はその言葉にあのときのことを思い出していた。確かにクィレル先生は鏡を見て一瞬動揺していた。そういうことだったのかと思い、もう一度クィレル先生を見上げる。
「私はもう一度君に光を見たんだ。でも、私はあのとき君を傷つけようとしてしまった。本当に申し訳なかった」
クィレル先生はそう言うと、頭を下げる。
『クィレル先生?!頭をあげてください!私は謝ってもらわなくても大丈夫です、私は傷ついてません。それにこうして私もハリー達も無事でしたから』
にっこり微笑みそう告げた私。それを見てクィレル先生は泣きそうに顔を歪める。
『クィレル先生はこれからどうなるんですか?』
「わしもそれを聞きたいと思っていたのじゃ」
私が一番気になっていたことを聞くと声が聞こえてきた。その声の方に振り向くと、いつからいたのかわからないが、ダンブルドア先生がいた。
『ダンブルドア先生...そのお咎めとかはないんですか?』
クィレル先生は未遂と言えども、賢者の石をヴォルデモートの手下となり盗もうとしたのだ。なにか咎めがあっても不思議ではない。そう思った私がダンブルドア先生に尋ねるとこう言った。
「...そうじゃの。クィリナスは充分反省しているようじゃし、もうヴォルデモートの手助けをするようなことはなかろう?」
「もちろんです」
ダンブルドア先生は確認するようにクィレル先生に尋ね、クィレル先生はそれに頷き答える。
「魔法省はヴォルデモートのことには消極的じゃ。だからそのことに関してはなにもない。ホグワーツでのことは教授を辞めてもらうことになる。それでこれからのことなんじゃが、わしは田舎にでも行って静かに暮らすのがいいと思うんじゃ、どうかの?」
ダンブルドア先生は寛容で、お咎めは実質、教授を辞めることのみ。もしかしたらいろいろと手をまわしてくれたのかもしれない。クィレル先生の言葉をみんなが待っていると、クィレル先生は少し考えてから答える。
「...私は、マーレイの力になりたい。ヴォルデモートはマーレイを知っているようだった。もしかしたら危険が迫るかもしれない。その時に力になりたい」