第23章 その後
『あれは...どういう意味なんだろう』
あれから目を覚ました私は、考え事をしていた。まだ朝早い時間である。そう、最後に黒い煙のようなものになったヴォルデモートが言い残した言葉のことだ。
『早く思い出せ...か』
私、なにか忘れているのかしらと考えたがなにも思い出せなかった。そして、あの呪文。あれは前世の記憶にないものだ。でも頭にふと思い浮かんだのだ。謎ができてしまった。しかし私の予想に反して、この謎は思ったより早く解決することになるのだった。
私はグリフィンドールの寮に向かっていた。実は私が最初に起きた日がハリーの目を覚ます前日だったらしい。要するに2日間眠っていたのだ。そして次に起きたのは、ハリーが目を覚ました日だ。その日の朝、薬を飲んで寝たらなんと学年末パーティーは終わっていた。マダム・ポンフリーに聞いて驚いた。まさかそんなに寝ていたとは。太った婦人に合言葉を言い、中に入る。すると突然目の前が真っ暗になった。
「ユウミ!!!」
聞き覚えのある声に、私は呼び掛ける。
『クレア?』
どうやらちょうど談話室にいたクレアが真っ先に私に抱きついたらしい。
「本当に...無事で良かった。私...」
『ごめんなさい、クレア。心配してくれてありがとう』
私も抱き締め返す。すると、その近くにミアとエイミーも来た。二人にも同じ事を言ったら、無事で良かったと笑い返してくれた。そしてクレアが落ち着いて離れた頃、その後ろからハリー達が来た。
『ハリー!ロンもハーマイオニーも!』
私は順番に3人に抱きついた。顔が真っ赤になってしまったハリーとロン。そしてすごく心配したのかちょっと怒った声でこう言ったのはハーマイオニー。
「もう、ユウミ!あなたがいなくて本当に心配したのよ」
『ごめんなさい。ありがとう、ハーマイオニー』
ロンの側にいると思っていた私がいなくてとても心配したらしい。申し訳なく思って、謝罪とお礼を述べると安心したように微笑んでくれた。どうやら私のことはハリーから聞いたらしく、説明する必要はないみたいだ。そして、学年末パーティーのことについても聞いた。
『え、私にも?!』
「えぇ、私とロンに40点,ハリーとあなたに50点,ネビルに10点よ。それでスリザリンを逆転出来たのよ」
ハーマイオニーはにっこりと嬉しそうに笑った。