第22章 対面
クィレル先生は痛みにもがいている。しかし、私が事前にあげたアクセサリーがちゃんと効果を発揮していれば、死ぬようなことはないはず。だが痛みが和らぐわけではないのでクィレル先生はとても苦しそうだ。私はそれを見てヴォルデモートに告げる。
『もうあなたがここにいる必要はないはずです。もう少しで、ダンブルドア先生が来ます。クィレル先生から出ていってください』
私が静かに見据えてそう告げると、ヴォルデモートは黒い煙のようなものになりクィレル先生から出ていった。私にある言葉を残して...。
『クィレル先生!!』
私はすぐにクィレル先生に寄り添い、そしてどうしたらクィレル先生を助けられるのかを必死に考える。するとなぜかこうすればいいというのが頭に浮かび、それを実践した。クィレル先生の体の横にいき、杖を利き手に持つ。そしてもう片方の手をクィレル先生の体の上に手をかざす。最後に
『"セラペイア、パナケイア"!』
そう叫ぶと私の手からほんわりと温かい光が出て来て、段々眠くなってしまう。しばらく我慢していたが我慢出来ないくらいになり、その眠気に身を委ねてしまった。私はどこか知らないところにいた。辺りを見回すと木々がたくさんあり森みたいなところだ。
「ユウミ」
自分の名前が呼ばれ振り向くと、男の子らしき人がいる。顔はなぜか見えない。私はその子と笑顔で話している。この子は誰なのだろうか?そう疑問が浮かぶと同時に意識が浮上するのを感じた。
『ん...』
目を開くと、そこはここ最近見慣れたところだった。そう医務室である。なんでここにいるんだろうと思っていると誰かが私のベッドに近づいてきた。
「Ms.マーレイ...?良かった!目が覚めたんですね!もう何回目ですか、ここに来るのは!さぁこれを飲んで、あぁダンブルドア先生に伝えなくては!」
『は...はい』
マダム・ポンフリーであった。私が目を覚ましているのがわかるとすぐにそう捲し立てられた。とりあえず、渡されたとてつもなく不味そうな物を飲み干す。しばらくすると、セブルスとダンブルドア先生がいらっしゃった。
「ユウミ、無事で良かった」
『え!あ、ありがとうございます』
まさか一介の生徒である私の名前を覚えているとは思わず驚いてしまったが返事をする。しかし、そこにいるセブルスの顔を見るのが怖い。