第22章 対面
ヴォルデモートの言葉に一瞬、躊躇を見せて辛そうな顔をしたクィレル先生はそれでも背を向けた。そして私はヴォルデモートと目が合う。しかし、ヴォルデモートは私と目が合うなり目を見開いた。
「お前は...」
ヴォルデモートは何かを言いたそうにしたが、ハリーが私の手をとり逃げ出した。
「ユウミ、走れ!」
「捕まえろ!」
しかしクィレル先生の呪文により炎が出され、行く手を阻まれてしまう。ハリーと一緒に振り返るとクィレル先生が後ろを向いていたため、ヴォルデモートと目があった。
「バカな真似はよせ。命を粗末にするな。わしの側につけ。さもないとお前もお前の両親と同じ目にあうぞ...二人とも命乞いをしながら死んでいった...」
「嘘だ!」
ハリーが叫ぶ。クィレル先生が後ろ向きでハリーと私に近づいてくる。
「胸を打たれるねぇ...わしはいつも勇気を称える。そうだ、小僧、お前の両親は勇敢だった。わしはまず父親を殺した。勇敢に戦ったがね...。しかしお前の母親は死ぬ必要はなかった、お前を守ろうとしたんだ...。母親の死をムダにしたくなかったら、さあ石をよこせ」
「やるもんか!」
「捕まえろ!」
またハリーは逃げ出す。しかし、どこにも出口はなく。私は振り向いてクィレル先生と対面する。
『私は!クィレル先生のこと好きです!だから戻ってきてください!』
私がクィレル先生を見つめてそう言うと、一瞬動揺したがすぐに杖を私に向けた。
「傷つけるな!!」
しかし、ヴォルデモートが大声を出して止めさせたのだ。困惑したのはクィレル先生だけでなくハリーも私もだった。しかしその隙をつき、私は杖で遠くに飛ばされ倒れこむ。どうやったのかはわからないが傷ひとつない。クィレル先生がハリーの手を掴む。しかしすぐに手は離され、ハリーは尻餅をついてしまう。
「ご主人様、奴を捕まえられません。私の手が!」
クィレルの手は焼け爛れていてひどい状態だった。
「ならば、殺してしまえ!」
ハリーはクィレル先生が呪文を唱える前に、飛びかかった。そして痛みに悶え苦しむクィレル先生にハリーはしがみつき、クィレル先生は悲鳴をあげる。それを見てハッとした私は駆け寄る。
『ハリー、やめて!』
私の声が聞こえてないハリー。しかし、突然ハリーは倒れてしまう。気を失っているだけのようだ。