第22章 対面
「さぁ、鏡には何が映る?あぁ、見えるぞ。賢者の石を持つ私が。どうやって手に入れる?いったいどうすればいいんだ!ご主人様、助けてください」
「その子を使え」
「わかりました。ポッター、来い」
クィレル先生の言葉に答えるように、不気味な声が響いた。クィレル先生はそれに従い、ハリーを鏡の前に立たせた。ハリーが鏡を見ると、鏡の中のハリーは賢者の石を見せるとウインクをしてからポケットにしまう。それを見たハリーがそっとポケットを確認すると、そこにあったのだ。
「なにが見える?」
「ぼ、僕がダンブルドアと握手をしているのが見える。僕、僕のおかげでグリフィンドールが寮杯を獲得したんだ」
焦ったハリーは慌ててでたらめを言うが...。
「こいつは嘘をついている...嘘をついているぞ...」
またあの声が聞こえ、すぐに見破られてしまう。
「ポッター!本当のことを言うんだ。今、何が見えたんだ?」
「わしが話す...直に話す...」
「しかしご主人様、貴方様はまだ十分に力がついていません!」
「このためなら...使う力がある...」
クィレル先生は不気味な声とそう会話すると、ターバンをとりはじめる。そして後ろを向いた。そこにはもう一つ顔があったのだ。蝋のように白い顔、目はギラギラと血走っていて、鼻孔は蛇のような裂け目になっていた。とても恐ろしい顔だ。
「ハリー・ポッター...」
その顔の男は囁く。
「この有様を見ろ。ただの影と霞に過ぎない。誰かの身体を借りて初めて形になることができる...しかし、常に誰かが、喜んでわしをその心に入り込ませてくれる...この数週間は、ユニコーンの血がわしを強くしてくれた。忠実なクィレルが、森の中で私のために血を飲んでいるところを見ただろう...命の水さえあれば、わしは自身の身体を創造することができるのだ...さぁポケットにある'石'をいただこうか」
ハリーがよろめきながら後ずさった。それを見て私は声を上げて飛び出す。
『ハリー!』
「来ちゃだめだ!」
「誰だ?!」
私が顔を見せるとクィレル先生は動揺した。クィレル先生がこちらを見たためヴォルデモートの顔は見えない。
「ど、どうしてここに...」
「クィレル、なにがあった」
「い、いえ!ただの小娘です。小娘が来ました」
「そちらを向け、クィレル」