• テキストサイズ

愛される少女【HP】

第21章 試験と試練


「これがチェスなんだ!犠牲を払わなくちゃ!スネイプに賢者の石を盗まれてもいいのか!?チェックメイトしたら僕のことはかまわずにすぐに先に進むんだ」

ロンはそれだけを言うとすぐに駒を動かす。私はここまで黙って成り行きを見ていたが、直前になってロンの傷だらけの姿を見たくないと思ってしまった。そして心の中で話しかける。

『(お願い、エイル。ロンを助けて。都合のいいことはわかっているの、でも...)』

「騎士をH-3へ...チェック」

ロンがそう言い終わると同時に、クイーンが動き出す。そしてクイーンはロンの乗っている馬に剣を突き刺した。

「うわぁぁあ!」

ロンはそれと同時に馬から転げ落ちた。それを見たハーマイオニーが動き出そうとする。しかし

「ロン!駄目だ、動くな!ゲームはまだ続いてるんだ。...チェックメイト」

これでチェックメイトだ。ハリーとハーマイオニーはロンを心配そうに見たが、ハリーはこういった。

「ロンの言っていた通り、先に進もう」

『ハリー、ハーマイオニー、私がロンを見てみるわ。大丈夫そうならすぐに追いかけるから』

私は2人を安心させるようにそう微笑んだ。確か、ここからはトロールと論理パズル。トロールはもう倒れていたし論理パズルはハーマイオニーなら解ける。そう思った私はロンを見てから追いかけることにした。本当はロンをずっと見ていたいが、最後の所は何があるかわからないから。

「わかった、ロンを頼むよ」

ハリーがそういい、ハーマイオニーと一緒に先に進んだ。私は2人が見えなくなってから、ロンのもとにきた。壊れた駒を退かしているとロンが見つかる。そっと様子を見てみると、血などは出ていない。気を失っているだけみたいだ。もしかしたらエイルが助けてくれたのかもしれない。

『エイル、ありがとう』

エイルにお礼を告げてから、ロンをそっと魔法を使って安全なところに避難させた。そして、追いかけようと次のトロールのいるところに向かった。扉を開けるとトロールが寝ていた。そのときふと見た壁に違和感を感じる。

『なにかしら?』

その壁に近づいてそっと触れると、視界が突然暗くなった。しばらくそうしていると何かに押し出されるようにどこかに出た。

『キャッ!なんだったのかしら?』

出たのは廊下みたいなところだった。振り返って壁を見てみても、なにもない。

/ 559ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp