第21章 試験と試練
試験当日。クレアとミアはとても心配していたが、エイミーはいつも通りであった。試験の行われる教室に入りしばらくすると、試験用にカンニング防止の魔法がかけられた特別な羽ペンが配られる。最初はドキドキしていた私も、空欄はなく見直しまですることが出来てとりあえず安心できた。
そして次は実技試験だ。呪文学では、一人ずつ教室に入りパイナップルを机の端から端までタップダンスさせるという内容だった。私の番になり落ち着いて呪文を唱えると、パイナップルはタップダンスをしながら横切り、最後には何故かバク宙を決めてしまった。しかしフリットウィック先生は大喜びだったので大丈夫なはずだ。
変身術では、ねずみを'嗅ぎたばこ入れ'に変えることだった。美しい箱は点数が高く、ひげの生えた箱は減点される。私の嗅ぎたばこ入れは前世の記憶も用いり、とても美しいものになった。おそらくミネルバが微笑んでくれたので大丈夫だろう。
魔法薬学は'忘れ薬'の調合をすることが試験内容だった。セブルスが私の忘れ薬を見て軽く微笑んでいたのをチラっと横目に見たのでこれも大丈夫だろう。最後の試験は魔法史だ。これはクレアたちとしっかり勉強したので、大丈夫なはずだ。見直しをして、答えを変えたところがどうなるかが問題だが。
そして、最後の試験が終わるとみんなが歓声を上げ、浮かれていた。おそらく勉強漬けの日々だったので解放感に溢れているんだろう。1週間後に試験の結果が発表されるまでは、自由な時間が待っている。
『ミア!どうだった?』
「魔法史でミスをしてしまったかもしれないわ」
ミアは落ち込んでいるようだ。他の教科を聞くと微笑んでくれたのでそこまで悪いことはないだろう。クレアとエイミーは見つけられなかったので、そのままミアと外で話をしてから談話室に戻る。
部屋に入ると私は準備をした。今日の夜、私もついていくと決めたからだ。そして夜になり、そっと部屋を出た。案の定3人がいたので声をかける。
『ハリー、ロン、ハーマイオニー』
「「「ユウミ!」」」
『私も行くわ、体のことは心配しないで、大丈夫だから』
私がそう言うと3人は顔を見合わせてからゆっくり頷いてくれた。先に進むと誰かの影が見える。
「君達、何してるの?」
ネビルだ。声をかけると同時に私たちの方にやってきて、私たちの前に立ち塞がった。