第20章 罰則
『そう...大変だったのね。ハリー無事で良かったわ』
ハリーににっこり微笑むと、ハリーも微笑み返してくれた。そして私たちに向けてこう続けた。
「スネイプはヴォルデモートのためにあの石が欲しかったんだ...ヴォルデモートは森の中で待っているんだ......僕達、今までずっと、スネイプはお金のためにあの石が欲しいんだと思っていた...」
「その名前を言うのはやめてくれ!」
ロンが叫び声をあげる。私もその気持ちはわかる。前世の記憶があるという事実があるから大丈夫な面もあるが、やはり魔法界で生きていたら例のあの人の名は怖いだろう。しかしハリーは言葉を続ける。
「ケンタウルスはヴォルデモートが戻ってくると予言していた、僕はスネイプが石を盗むのをただ待ってればいい、そうしたらヴォルデモートがやってきて僕の息を止める...」
「ハリー、ダンブルドアは'あの人'が唯一恐れている人だって、みんなが言ってるじゃない。ダンブルドアがそばにいるかぎり、あの人は貴方に指一本だって触れることはできないわ。それに、ケンタウルスが正しいなんて誰が言ったの?私には占いみたいなものに思えるわ。マクゴナガル先生がおっしゃったでしょう。占いは魔法の中でも、とっても不正確な分野だって」
ハリーの言葉を聞いたハーマイオニーはそう言った。それにハリーも思うところがあったのか、それ以上は何も言わない。なので、そろそろ部屋に戻ることになった。
『じゃあ、ハリー、ロン、ハーマイオニーおやすみ』
「うん、おやすみ、ユウミ」
「あ、ユウミ、ブランケットありがとう。おやすみ」
「おやすみ、ユウミ」
私はハリー達と挨拶を交わしてから、自分のベッドに入って考え事をしていた。もちろんこれからのことだ。これから賢者の石を守るためにハリーたちは動くだろう。私ももちろんついていきたい。
でも、体の弱い私がついていって足を引っ張らないだろうか?それにお父さまやお母さま、クレア達にまた心配をかけることになるかもしれない。どうしたらいいのだろう。そんなことをぐるぐる考えているうちに私は眠りについていた。