第20章 罰則
私はクレアと図書館に来ていた。そろそろ試験なので勉強しようと思ってクレアやミア,エイミーを誘ったのだ。しかしクレアは一緒に来ると言ったのだが、ミアとエイミーは用事があるみたいで一緒に来れなかったのだ。図書館に来ると同じようなことを考えている人が多いのかあまり空いていない。しかし、それでも探すと2人ぶんの席は空いていた。
『良かった。空いていたわね』
「そうね、やっぱり人多いわ」
こそこそとそんな話をしながら勉強をし始めた。しかし途中でふと顔をあげると、ハリーたちがなにやら話しているのを見てそちらに行くことにする。
『クレア、ハリー達の方にちょっと行ってくるわね』
「わかったわ」
「ユウミじゃないか!」
声をかける前にロンに気づかれた。
『なにを話しているの?』
ロンたちと挨拶を交わしてから、首を傾げてそう聞くとハリーが近づくように言うので、私は近づく。
「クィレルが降参したんだ。さっき教室から声が聞こえた...。クィレルの声しか聞こえなかったけど、脅されてるみたいだった」
「それじゃ、スネイプはついにやったんだ!クィレルが'闇の魔術の防衛術'を破る方法を教えたとすれば…」
「でもまだフラッフィーがいるわ」
その声に、クィレル先生は例のあの人に何かを言われて弱っているのかもしれないと思った。
「もしかしたら、スネイプはハグリッドに聞かなくてもフラッフィーを突破する方法を見つけたのかもしれないな。これだけの本がありゃ、どっかに三頭犬を突破する方法だって書いてあるよ。どうする?ハリー」
続く3人の会話を黙って聞いていた私。しばらくして話が終わったので声をかけてからクレアのところに戻ってきた。するとクレアはこちらを向き、言うか迷ったような顔をしてから言うことに決めたのか、口を開く。
「...ユウミ」
『クレア?どうしたの?』
「あのね、私...減点の件でハリー達を責めるつもりはないわ。でもユウミ、私あなたのこと本当に大切なお友達だと思っているの。だからもう危ないことはしないで。ハリー達とこそこそなにかをしているのはわかっているわ」
『...クレア...。ありがとう。私もクレアのこと大切なお友達だと思っているわ。だから気を付けるわ』
私がそう返すと、クレアは安心したように綺麗に笑ってくれた。