第19章 ドラゴン
あれから、予定があわずに3人とは別の日にノーバートに会いに行っていた。そしてある日の夜、ロンを待っているというハリーたちとお話をしていると突然ハーマイオニーが声を上げる。
「ロン?!その指どうしたの?!」
ハーマイオニーの声にロンを見ると、驚きの光景が広がっていた。ロンの指はハンカチに包まれているが、そのハンカチも赤く染まっており、指から出血しているのだ。
「噛まれちゃったよ」
「大丈夫なの?ドラゴンに噛まれるって...」
ハーマイオニーが小声で訪ねる。
「うーん、どうだろう。でもきっと大丈夫だよ、うん。そうじゃなかったら困る。医務室に行ったって、ドラゴンに噛まれましたなんて言えるわけないよ」
確かにそうかもしれない。ドラコンに噛まれたなんて言えるわけがない。
『でも、きっとマダム・ポンフリーなら何も聞かないんじゃないかしら?』
私がそう言ってもロンは大丈夫と言って聞かなかった。しかしロンの指を放置していいような状態とはとても思えなかった。しかし呪文も使えないのでどうすることもできない。ロンは心配しないようにと私にもう一度言って、それからノーバートとハグリッドに対する文句を吐き始めた。
なんとハグリッドに、ノーバートを恐がらせたからだ!と叱られたらしい。これにはかける言葉が見つからなかった。コンコンと窓を叩く音がしてそちらを見ると、ハリーの梟のヘドウィグだった。脚には手紙が括りつけられていて、ハリーは急いで窓を開けヘドウィグを中に入れた。その手紙を読んで喜んでいる3人。
『そんなに嬉しい手紙だったの?』
私が不思議そうに訪ねると経緯を説明してくれた。ルーマニアでドラゴンの研究をしているチャーリーに預けることにしてその返事が今届いたらしい。
『そういえば、チャーリーってドラゴンの研究をしているんだったわね。気づかなかったわ』
幼馴染であるチャーリーのことなど全然頭に上がらなかった。しかしなんとかなりそうでほっと息を吐く。チャーリーの手紙には、喜んでノルウェー・リッジバックを引き受けるという一文と、土曜日の真夜中に一番高い塔にノーバートを連れてくるように、という指示が書いてあり、チャーリーの友人が来てくれるということが書いてあったみたいだ。