第19章 ドラゴン
「ミーミィー」
どうすることも出来ずに固まっていると、とても甘えたような声を私に向かって出すノーバート。おそるおそる片手を差し出すと、ノーバートはその片手にすりすりしてきた。
「すごい!」
「ノーバートが懐いてるわ」
声に出して驚きを表現するハリーとハーマイオニー。対して目が飛び出てしまいそうなほどびっくりしているロン。
『ふふ、可愛いわ』
そのあとはノーバートと戯れながら、3人と話していた。
「ミィーミィー!」
私たちが帰ろうとすると、ノーバートが私を行かせまいと袖に噛みついてしまう。3人もハグリッドも私も困ってしまった。そこで私はノーバートに視線を合わせて言った。
『ノーバート、また来るわ、約束よ?』
にっこり笑ってそう告げる。すると少しずつだが離れてくれた。最後に優しく撫でて私たちはそこを後にした。
「それにしてもノーバート、懐いてたね」
「すごいわ!ハグリッドにもああなのに」
「ユウミがいると大人しいよな」
ハリーとハーマイオニーとロンはそう言って私を見た。しかし本当になんでだろうか。私もとても不思議だ。そんな疑問が浮かびながらも1日を終えた。
『ミア!なにしてるの?』
授業も終わり、夕食前の時間にミアを見かけたので声をかける。すると笑顔で振り返ってくれた。
「ユウミ!これから図書館に行くわ」
『あら、そうなの?私も行こうかしら』
私が悩んでいると行こうとミアに誘われたので行くことにした。そして図書館につき、ミアとは違う本棚で本を探しているとある人物がいる。
『...ドラコ?』
「ユウミか!本を探しているのか?」
『えぇ、そうよ。あ、ドラコは魔法薬学得意だったわよね?これを詳しく知りたいの』
ドラコに近づきながら本を見せると、すぐに本を取って見せてくれた。
「これがいいだろう。202ページあたりに載っていたはずだ」
『ふふ、さすがドラコね。さすがだわ。ありがとう』
にっこり笑ってお礼を言うと、ドラコは微かに頬を赤らめる。そんなドラコにもう一度お礼を言ってからミアのところに戻った。ミアを見るとなにかを言いたそうな顔をしている。
『...ミア?どうしたの?』
「...なんでもないわ。勉強しましょ?」
ミアはそう言うと勉強を始めてしまったので、気になりながらも私も勉強を始めた。