第19章 ドラゴン
ある日の午後、私が廊下を歩いているとあの3人に出会った。
『ハリー、ロン、ハーマイオニー!どこ行くの?』
「「「ユウミ!」」」
3人は顔を見合わせてから、ハグリッドのところへ行くと言うのでついていっていいかを尋ねる。
「ユウミならいいわ」
3人と一緒にハグリッドの小屋へ向かうとカーテンが閉めきっていた。
『あら?カーテン閉まってるわね』
私が不思議に思ってハーマイオニーに尋ねると、中に入ればわかるわと言われる。そこで、みんなに続いて入るとむあっと暑い空間があり、辺りを見渡すと卵が置かれていた。
『...もしかしてあれドラゴンの卵?!』
驚愕に私が叫ぶと、ハグリッドが私の方を見て言った。
「お前さん、誰だ?」
『あ、ごめんなさい。ユウミ・マーレイです。よろしくお願いします』
にっこり笑って挨拶をするとハグリッドは慌てたような様子になる。どうしたんだろうか。
「そんなかたっくるしくなくて平気だ!俺はルビウス・ハグリッド。ハグリッドって呼んでくれ」
『えぇ、わかったわ、ハグリッド』
こうして挨拶を交わし、また話はドラゴンの卵のことになる。ハーマイオニー達の話によるとこのドラゴンは賭けに勝ってもらったらしい。
『でも、ドラゴンの飼育は違法じゃなかったかしら?』
私がそう言うとハグリッドは気まずそうに目を泳がせ、ハーマイオニーはハグリッドをじっと見ていた。どうやらドラゴンの飼育が違法なことは百も承知のことみたいだ。
『でもハグリッドどうするのかしら?ドラゴンってとても大きくなるでしょう?』
ハグリッドの小屋からの帰り道に私がそう言うと3人は困ったような顔をした。みんながそう思っているらしい。
そしてある日の薬草学の時間。授業の終わりのベルが鳴るなりあの3人が急いでどこかに行ってしまったのを見て、もしかしてドラゴンがそろそろ生まれるんだろうかと考えていた。その考えは当たっていたみたいでハグリッドの小屋を訪れるというハリー達についていくとドラゴンがいた。
『すごい、初めて見たわ』
そのドラゴンは名前をノーバートというらしい。ノーバートはたまにげっぷのように火をふいている。私が椅子に腰かけるとノーバートはなぜかよちよちしながらこちらに向かってきた。