第18章 新学期
「ニコラス・フラメルは、賢者の石を造り出した人物である」
「「なにそれ?」」
ハーマイオニーの言葉にハリーとロンは知らなかったらしく、声をそろえた。それにハーマイオニーが呆れたような顔で答える。
「本読まないのあなたたち?ユウミはわかってるみたいね」
ハーマイオニーの言葉に、私は苦笑いしながら頷く。
「賢者の石は恐るべき力を秘めた伝説の物体で、いかなる金属をも黄金にかえ、命の水をうみだす。これを飲めば不老不死となる」
「不老不死?」
ハーマイオニーの言葉の途中で、ロンが口を挟んだがそれをスルーしてハーマイオニーは続ける。
「現在存在する唯一の石は、ニコラス・フラメルが所有している。フラメル氏は有名な錬金術師で、去年665歳を迎えた。フラッフィーが守っているのはこれよ!仕掛け扉の中にあるのは賢者の石よ!」
「金を作る石、決して死なないようにする石!スネイプが狙うのも無理ないよ。誰だって欲しいもの」
ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人は賢者の石までたどり着いた。そしてセブルスは相変わらず、疑われているらしい。お父さまとお母さまには申し訳ないがここからさらに危険なことに巻き込まれるだろう。
「そうよ、聞いてちょうだいユウミ?」
『なにかしら?』
ハーマイオニーがちょっと怒ったような声で私に声をかけた。そこからハーマイオニーはハリーが深夜に寮から何度も出たこと,みぞの鏡の虜になったことを話した。
『そうなの...。ハリーが元に戻って良かったわ。私のこと忘れたら寂しいもの』
私がハリーにそう言って微笑みかけると、ハリーの顔は一瞬で真っ赤になった。
『あら?ハリー?』
変なことを言ったかしら?そう思って顔を近づけると、わぁ!と言ってハリーはのけぞってしまった。それに悲しく思った私が落ち込むと、ハリーやロン,ハーマイオニーがみんなであわあわとフォローしてくれた。
『それにしても、深夜に寮に出てよく見つからなかったわね?』
白々しく私が不思議そうに尋ねると、ハリーたちは顔を見合わせる。それからハリーが透明マントをもらったことを教えてくれた。そこからは4人で談笑をしていたのだった。