第17章 クリスマス
私がお父さまの目をしっかり見て言うと、ゆっくりと抱き締められる。
「無事で良かった。もう危険なことはしないでくれ、ユウミ。今回は本当に心臓が止まるかと思ったよ。ユウミは私たちの大切な娘なんだ」
お父さまは心からそう思っているようで、そんなお父さまに心配かけたことを申し訳なく思った。しかし、これからのことを考えるとその約束は出来なかった...。
『お父さま、なるべく気を付けるわ。でも友達が危険なときになにもしないなんて出来そうにないの、ごめんなさい』
お父さまはなにか言いたそうにしたが、なにも言わずに再度抱き締めてくれた。あのあと、部屋に戻ってきた私は考え事をしていた。これからの未来、前世の記憶として知識はあるが忘れてきているところもある。そもそも前世のときに原作と映画も見たのは数年前だったから、記憶も曖昧なのだ。これからを不安に思いながらも、出来ることをするしかないと思いその日は寝ることにした。
『すごいわ!』
次の日起きると、プレゼントが足元に置かれていた。急いで起き上がると、プレゼントを開封していく。
『これはハリーとロンね』
包み紙を剥がすと、たくさんのお菓子が出てきた。
『ふふ、私がお菓子を好きって言ったからね』
次は緑のスリザリンカラーの包み紙で、思った通りドラコであった。ドラコからは可愛いアクセサリーが届いた。
『可愛いわ』
セブルスとミネルバからも届いていて、2人からは魔法薬学の本と変身術の本だった。次はクレアだ。包み紙を丁寧に剥がすと中からは上品な髪飾りが出てきた。
『とっても綺麗ね』
そこからエイミーからはマグルのお菓子を、ミアからは値がはりそうな羽ペンとインクを、ハーマイオニーからは可愛い栞を、ジョージとフレッドからは綺麗な魔法のかかったスノードームが届いた。マーレイ家にはお付き合いで貴族からプレゼントが毎年届くのでそれを整理していると
『あれ?』
見覚えのないものが見えた。そっと見てみる。
『セドリックだわ!』
私も送って良かったと安心しながら包み紙をあける。すると、書店で取ってもらったときの本の続きがそこにあった。
『覚えていてくれたのね!嬉しいわ』