第17章 クリスマス
『あら、ディニー?さっき、いたかしら?』
「お嬢様!私めは先程ここに着きましたです!」
『そうなの。ありがとう、ディニー』
どうやらディニーは私をお迎えに来るために、今日の仕事をとても頑張って終わらせたみたいだ。それからディニーの魔法を使ってお家に帰って来た。
「「おかえり、ユウミ」」
『ただいま、お父さま、お母さま』
玄関のドアを開けて、お父さまとお母さまがにっこり笑って言ってくれたので、私もにっこり笑って返した。部屋に入ると私は、ミーアに話しかけた。
『ミーア、狭かったでしょう?庭を飛んでくるといいわ』
「ホー!」
ミーアは元気に一声鳴くと、窓から出ていった。そのあと満足したミーアが戻ってくるまで本を読んだのだった。
「お嬢様!ご飯が出来ましたです!」
ふと隣を見るとディニーがいて呼びに来てくれたみたいだ。
『ありがとう、ディニー。今、行くわ』
本をしまうと1階に降りて、リビングのドアを開けるとテーブルには豪華な食事があった。
『とてもおいしそうだわ!』
わくわくしながら席についていると、程なくしてお父さまとお母さまが来て席についた。みんなが揃っていよいよご飯を食べ始めると
『おいしいわ!』
ほっぺたが落ちそうなおいしさだった。そこからも夢中で食べていると、クスクスと笑い声が聞こえてきて顔をあげると、お父さまとお母さまが笑っていた。
『どうしたの?』
「ふふ、ご飯は逃げないからゆっくり食べなさい」
首を傾げてたずねると、くすくす笑ったままお母さまが答えてくれた。頬が赤くなるのを感じながらも、そこからは言われた通りにゆっくり食べる。そして、お父さまとお母さまに学校のことを話したり楽しい一時となった。ご飯も食べ終わり、ゆっくりしているとお父さまにソファの方に呼ばれたのでそちらに行き座った。
「ユウミ、学校では倒れて3日間目を覚まさなかったって聞いているよ。これは本当のことかい?」
『えぇ、お父さま。本当のことよ』
俯いて反省をしていると、お父さまの手が頭に乗った。
『お父さま?』
「セブルスが十分反省しているようだからって言っていたんだ。反省しているね?」
セブルスがお父さまにフォローをくれたみたいだった。
『もちろんよ、お父さま。心配かけてごめんなさい』