第16章 クィディッチ
試合が終わったあとグリフィンドールではみんなが勝利の余韻に浸り、お祭り騒ぎだった。しかしその中にハリー、ハーマイオニー、ロンの姿はない。3人は今頃ハグリッドの小屋でセブルスのことやあの3つの頭をもつフラッフィーのことを聞いているんだろう。そして最後にハグリッドが口を滑らせたニコラス・フラメルのことについてこれから調べるのだろう。そう考えていると声をかけられた。
「「ユウミ!勝ったよ!!」」
それはまだ興奮がおさまっていないフレッドとジョージの2人だった。
『そうね、すごかったわ。おめでとう』
にっこり笑って言うと、2人は目を輝かせてこちらを見た。
「僕たちに」
「ユウミから」
「ご褒美を!」
あぁ、そういえばしてないなと思って座っていた席から立ち上がり2人に近づいて背伸びをするとそれに合わせて2人はかがんでくれた。そして
『おめでとう、かっこよかったわ』
そういいながら2人の頬に順番にキスを落とした。するとあれだけ騒がしかった談話室が一瞬静まり返りそのあとには叫び声が響いた。
「「「「「「えーーー!!!」」」」」」
両耳を塞ぐように両手でおさえると、私はクレアとミアに引っ張られた。
「ユウミ、今のはなに?!」
「どういうこと?!」
2人は興奮したようにこちらに詰め寄ってきていた。なんのことだろうと思っているのがわかったのか、エイミーが答えてくれた。
「さっきの〜キスのことだよ〜」
『あぁ!あれは小さい頃からの習慣みたいなものかしら?試合で勝ったときとかプレゼントくれたときにお礼とかを込めてしているのよ』
そうあれは小さい頃からしていることだった。今は平然としているが、最初は前世が日本人である私はとっても恥ずかしかった。しかし、あの2人のしつこさに負けてしてからというもの習慣になっていたのだ。
だから、今ではなんでもないことのように出来るようになったのだった。フレッドとジョージの方を見ると、2人は男子生徒に囲まれて小突かれていた。そっちを不思議そうに見ると、手を振られたので手を振り返しておいた。