第16章 クィディッチ
そのとき耳にハーマイオニーの声が聞こえてきた。
「スネイプよ…見てごらんなさい」
ハーマイオニー達は、前世の記憶通りにハリーから目を離さずにぶつぶつと何かを呟いているセブルスを見つけたみたいだった。そのあとハーマイオニーはなんとかしようと走っていったので、クレアたちに声をかけてから私も追いかけることにした。セブルスには申し訳ないが、怪我をしないのでそのままハーマイオニーに任せようと思ったのだ。
しかし、何があるかわからないので着いていくことだけはしようと思っていたため今ハーマイオニーを追っていた。私は軽く走るくらいなので、ハーマイオニーとは距離が離れていった。確かハーマイオニーは、セブルスのところに向かうときにクィレル先生を突き飛ばすのよねと思いながら前を見るとなぜかまだ呪いをかけ続けているクィレル先生の姿が見えた。
『うそ、もしかしてハーマイオニー、クィレル先生のこと突き飛ばさなかったのね』
私は予想外なことに動揺したが、ハリーが落とされそうなのに気付き慌ててクィレル先生に声をかけることにした。
『クィレル先生!クィレル先生もクィディッチ興味あるんですね!』
クィレル先生にポンと手を置いて話しかけると驚いてしまったのか、こちらを見た。上手いことハリーから目を反らすことが出来たみたいだ。
「み、み、Ms.マーレイ!」
『クィレル先生はクィディッチに興味ないかと思ってたので意外です』
にっこり笑って話しかけると、クィレル先生は一瞬動揺を顔に出したがそのあとはまたおどおどと返事をしてくれたので少し話してから席に戻ることにした。席に戻ると、ちょうどハリーが手で口を押さえたところだった。まるで何かを吐き出そうとしているみたいなハリーは四つん這いに着地すると、金色の球体を吐き出した。
「スニッチだ!」
「スニッチを取ったぞ!」
それを見守っていた誰かの声に反応したみんなから視線を一心に浴びたハリーはスニッチを頭上に振りかざして叫んだ。ハリーが怪我もなく終わり安心して、クレアやミア,エイミーと抱き合いながら喜びをわかちあった。試合が終わってもスリザリンの選手は抗議していたが結果が変わることはなくリー・ジョーダンが大喜びで試合結果を叫び続けていた。
「グリフィンドール、一七〇対六〇で勝ちました!」
ハリーの初試合は、勝利で終わった。
