第16章 クィディッチ
そしてついにクィディッチの試合の日がやってきた。クレアやエイミー、ミアと朝食を食べに来た私たちは空いている適当な席に座った。ふと少し離れた席にハリーを見つけた私はクレア達に声をかけてからハリーたちのもとへ来た。
『ハリー、ロン、ハーマイオニーおはよう』
3人に声をかけるとみんなから挨拶が返ってきたが、ハリーは元気がないみたいだった。
『ハリーどうしたの?』
どうやら、初試合がもう少しのハリーは緊張のあまり食事も喉を通らないみたいだった。
『ハリー、クィディッチ楽しい?』
私が聞くと、唐突のことで驚いていたハリーもこくっと頷いてくれた。
『そう。ならハリー今日は楽しむことだけ考えればいいのよ。ハリーはクィディッチを楽しんでやる、それだけよ?』
私が笑顔でそういうとハリーはさっきよりも元気になったのか笑ってくれた。
『ハリー、楽しんでね。あとは怪我にも気を付けて』
「あ、ありがとうユウミ」
ハリーをぎゅと抱き締めて言ってから離れるとハリーは顔を真っ赤にしながらお礼を言ったのだった。それを不思議に思っていると突然後ろから声が聞こえてきた。
「「ハリーずるい!!ユウミ、僕たちにも!」」
『フレッド、ジョージ!』
なんとなく予想をしながら振り返るとやはりそこにいたのはフレッドとジョージだった。
『フレッド怪我しちゃだめよ。応援してるわ』
『ジョージ、無理しないでね。応援してるわ』
2人にもハグをしながら言うと、顔を赤らめながらも喜んでくれた。
「今日は勝てる気がする!」
「ユウミ、ちゃんと俺たちの活躍見ろよ!」
2人はそう言うと、去っていった。ハリーたちに別れを告げてからクレアたちのもとに戻ってきた。
「ハリー、どうだった?」
『初試合だから、とても緊張していたわ。でも大丈夫よ、たぶん』
ミアに様子を聞かれたのでそのままを伝えると心配そうな顔になってしまったので、慌てて大丈夫なことを伝えた。
そしていよいよ試合が始まろうとしていた。ロン達は競技場の最上段におり、「ポッターを大統領に」と書かれた複雑な魔法が掛かった旗を掲げていた。後であの魔法をハーマイオニーに教えてもらおうと思いながら、空いているところにクレアたちと入った。