第16章 クィディッチ
あれから無事に医務室から出られた私はいつもの生活に戻ってきていた。ふらりと中庭に出た私はハリー、ロン、ハーマイオニーの3人がいるのを見かけてそちらに近づいて行った。
『ハリー、ロン、ハーマイオニー』
声をかけると3人は鮮やかな青い火がジャム瓶の中に入っているもので暖まっていた。
「「「ユウミ!」」」
『それ綺麗ね、どうやったの?』
私が気になって尋ねると、ハーマイオニーが教えてくれた。そのあとは4人で背中を火に当てて暖まりながら話していると、ハリーが片脚を引きずっているスネイプ先生がやってきていることに気がついた。
「スネイプだ!火を隠さなくちゃ」
『え?!』
私が驚いている間にも3人はぴったりとくっついてスネイプから火を隠した。しかし、それが逆に怪しく映ったのか、スネイプ先生はこちらにやってきた。
「今、隠したものはなにかね?」
『先生、私がやったんです。とても上手に出来ましたよ』
スネイプ先生は私をチラっと見るとそう聞いたので、3人が困ってしまっているのを見て私が代わりに答えるとスネイプ先生は今度はハリーに名指しで言った。
「ポッター、そこに持っているのは何かね?」
ハリーは'クィディッチ今昔'を差し出す。スネイプ先生は何か文句をつけようとしているようだった。
「図書館の本は校外に持ち出してはならん。よこしなさい。グリフィンドール5点減点」
スネイプ先生はそう言って去っていった。やっぱりハリーたちには特に当たりが強いんだなと思っていると
「校則をでっち上げたんだ」
とハリーがイラついているのを隠そうともせずに吐き捨てた。
「だけど、あの脚はどうしたんだろう?」
「知るもんか、でもものすごく痛いといいよな」
その疑問にロンは呪いをかけそうな勢いで言った。その日の夜私が寮に戻ると、ハリーたちに呼ばれたので近づくと、隠し扉のことやそれの中のものを狙っている人がいること、スネイプ先生が怪しいから気を付けることを私に告げた。肯定も否定もせずにお礼を言ってから部屋に戻ることにした。
部屋に戻ってから私はやはりセブルスは疑われてるんだなと思った。否定しなかったのはここで否定したところでハリーたちの意見が変わることはなく、そのあとの情報を教えてもらえなくなることを危惧したからだった。