第2章 始まり
「かみ...さま?」
驚きのあまりに目を見開き、その黒猫を見つめてしまった。私にはどうしてもこの黒猫が神様には見えない。私の想像だと神様は、白いもじゃもじゃの髭に、自分の身長ほどのおじいさんだからだ。もはや、人間でもない。私は騙されている?いろいろな考えが頭を駆け巡り、自分の世界に入っていた。すると、黒猫が口を開く。
「そろそろいいか?少し時間が押しているんだ」
なんのことかはわからないが、時間が押しているらしい。もうここまで来たらなんでもいいと開き直り、その黒猫の方を向き話を聞く姿勢を整えて聞いた。
『どうして私をここに呼んだんですか?』
私が神様だということを信じたことに驚いたのか少し目を見開いたが、すぐにふっと優しく笑って言った。
「わたしがお前を呼んだのはある世界で、生まれ変わってもらおうと思ったからだ。その世界でお前は自分の望みを叶えることが出来るだろう」