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愛される少女【HP】

第14章 ハロウィーン


そしてその衝撃に耐えられなかったハリーが揺さぶられるとハリーの杖が偶然にもトロールの鼻に突き刺さってしまったのだった。痛みに唸り声を上げたトロールは棍棒をめちゃくちゃに振り回したが、ハリーは力一杯にしがみついていた。

トロールはしがみついているハリーを振り払おうとしてついに、ハリーの足を持ち逆さまに捕まえたのだ。ハーマイオニーは恐ろしさのあまり床に座り込んでしまっていて動けずにいて、この場でハリーを助けられるのはロンだけだった。

「ロン!何かやれ!!」

ロンはハリーの言葉に必死になにかないか探すが、あるのは杖だけだった。なんとかしなくてはと焦るロンは、最初に頭に浮かんだ呪文を唱えた。

「"ウィンガーディアム・ レヴィオーサ"!」

すると棍棒が宙に浮き高く上昇して、一瞬ぴたりと止まったと思ったらトロールの頭の上に勢いよく落下した。トロールの力が緩みトロールから抜け出せたハリーはフラフラしているトロールに当たらないように後退り、しばらくしてトロールはドサッと音をたててその場にうつ伏せに伸びてしまった。

「これ...死んだの?」

ハーマイオニーはトロールが倒れたことで、恐怖心が解消されたのかやっと口を開いた。

「いや、ノックアウトされただけだと思う」

ハリーは屈みこんでトロールの鼻から自分の杖を抜き取った。しかし、杖にはべったりとなにかがくっついていた。

「ウェー、トロールの鼻くそだ」

ハリーはそれをトロールのズボンで念入りに拭き取った。そして急にバタンと音がしたかと思うとバタバタと足音がこちらに近づいてきて3人は顔を上げた。真っ先に飛び込んできたのはマクゴナガルで、その後スネイプとクィレルが入ってきた。

「いったい全体あなた方はどういうつもりなんですか」

マクゴナガルは現状を見渡すと、冷静にかつ怒りに満ちた声で言った。しかしそれを遮る勢いでハーマイオニーが声を上げた。

「そ、そうよ!マクゴナガル先生、ユウミがあそこにいるんです!途中で心臓の辺りを押さえて...」

ハーマイオニーのユウミの名前に顔色を変えたマクゴナガルとスネイプは心臓の単語を聞くと、ものすごい勢いでスネイプがハーマイオニーの指した方に行った。スネイプが破片を急いで掻き分けると、気の失った状態のユウミを見つけたのだった。

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