第14章 ハロウィーン
クレアもちょっとずつ浮かぶようになってきたので、ロンとハーマイオニーの方を確認するとちょうどその場面であった。
「ウィンガーディアム・レヴィオサー!」
ロンは杖を振り回しながら言った。それを見咎めたハーマイオニーはロンに注意した。
「ちょぉっと待って、ストップ、ストップ!そんなに振り回したら危ないでしょ?それに、発音も違ってる。いい?レヴィオーサ。あなたのはレヴィオサー!」
ロンはそういわれてムッとしたのか、機嫌を悪くした。そして挑発的な目でハーマイオニーを見て言った。
「そんなに言うなら自分でやってみろよ。ほら、どうぞ?」
「"ウィンガーディアム・レヴィオーサ"!」
ハーマイオニーはごほんと咳払いをしてから呪文を唱えると、羽はゆっくりと浮上していった。
「おぉ、よく出来ました!皆見たかね?Ms.グレンジャーがやりました。素晴らしい!」
それを見たフリットウィック先生がハーマイオニーを誉めて、ロンはつまらなそうな顔になってしまった。授業の帰りにハーマイオニーにあのロンの言葉を聞かせまいとして、呼び止めようと決めていたため呼び止めた。
『ハーマイオニー!』
するとハーマイオニーは、一瞬止まったが何も言わずに教室を出ていってしまった。まさか無視をされるとは思わずにショックで固まってしまったがすぐに我に返り、追いかけたが遅かった。
「だから、誰だってあいつには我慢できないって言うんだ。全く悪夢みたいなヤツさ。同じ教えるんでもユウミはクレアに優しく教えてたんだ」
ハーマイオニーは聞いてしまったのだ。ハーマイオニーはロンの肩にぶつかりながら走って行ってしまった。どうして止められなかったのかと自分に怒りが込み上がってくるのを感じた。
「今の、聞こえてたみたい」
「それがどうした?誰も友達がいないってことはとっくに気がついているだろうさ」
しかし、その続けられた言葉にロンにもその感情が向けられた。
『ロン!!私はハーマイオニーの友達よ、例えハーマイオニーがそう思ってなくても私はそう思ってるわ。ハーマイオニーはあなたたちのことを思って言ってくれてるのよ、それをあんな風に傷つけるなんて酷いわ!後でハーマイオニーに謝るのよ、ハリーも見てただけでロンに注意もしなかったのだからハリーもよ!』
私はそう言うとハーマイオニーを探しに行った。