第14章 ハロウィーン
さらに続けてクレアは言った。
「それに1度目は見て見ぬふりしたのかもしれないけれど、2度目は注意しようとした。きっと次は注意出来ると思うわ。それに資格なんて関係ないのよ、そのお友達のことを思って言おうとしたことなんだもの」
クレアのその言葉たちは私の心に響いた。注意してもいいんだ、資格なんて必要ないんだと思えた私は満面の笑みでクレアにお礼を言った。
『ありがとう、クレア!』
「どういたしまして」
にっこり笑ったクレアと共に、寮に戻った。
クレアに慰めてもらった日から時間が経ち、今日は10月31日だった。ハロウィーンの日である。あのあと寮に戻った私たちは、エイミーになにかあった?と聞かれたがにっこり顔を見合わせて、なにもないわと言ったのだった。
この日の夕食はハロウィーンパーティーが行われるため豪華な料理だと噂が流れていたためほとんどの人が楽しみにしていた。やっぱりハロウィーンだからかぼちゃ料理ばかりなのかな、かぼちゃが苦手だったらキツいだろうなと思いながらも、もぐもぐ食べていたのだった。
そして、妖精の魔法の授業の時間がやってきた。みんなとても楽しみにしていたのだ。なぜなら、物を飛ばす練習が始まったからだ。フリットウィック先生がネビルのヒキガエルをぶんぶんと飛び回らせるのを見てから、みんなやってみたくてうずうずしていたのだ。
フリットウィック先生は生徒を2人ずつ組ませて練習させた。私は隣にいたクレアと組み、エイミーとミアが組んでいた。横目にチラと見るとハーマイオニーロンと組まされていて、やはり記憶通りかと思った。フリットウィック先生がお手本を見せてくれて、その通りにビューン,ヒョイと手首の動きの練習をした。
「よろしい。呪文を正確に。ウィンガーディアム・レヴィオーサ。やってごらん」
フリットウィック先生の言うとおりにみんなで練習をしたあとに各自の練習が始まった。私はフリットウィック先生の言葉を思い出しながら心を落ち着かせて言った。
『"ウィンガーディアム・レヴィオーサ"』
すると、羽はゆっくりと浮かび上がっていった。嬉しくてにっこり笑ってるとペアを組んだクレアが目を丸くさせた。
「ユウミすごいわ!もう出来たのね!私、出来なくてちょっと見てくれないかしら?」
クレアの言葉にお礼を言ってから、羽を元に戻し丁寧に教えた。